2009年、日本一暑いまちとして有名な埼玉県熊谷市で、夏でもエアコンなしで快適な住宅が完成した。
樹木の配置により外環境を整えたうえで、十分な断熱・気密性能を確保するとともに、通風のための建具の採用、井戸水の利用など様々な工夫により、真夏でも26℃の室内環境が実現している。
体感原理に基づいた計画手法「環境統合デザイン」
25℃の室内は快適だけど、25℃の水風呂は冷たい。
どちらも全く同じ温度なのに、どうして体感は全く違うのでしょうか?
私たちが感じる「暑い」「涼しい」といった『体感』は、温度だけによって決まるのではなく、身体とその身体を取り巻く環境との相対的な関係によって生まれます。これが体感原理です。
この原理に基づいて、環境との関係を意図的にデザインすることで快適さを実現させようという手法が、環境統合デザインです。
住まいの周りには、活用することのできる環境要素がたくさんあります。こうした環境要素を統合して実現させたのが「緑風の家」です。
目で見る緑風の家の涼しさ
真夏日に、エアコンなしで外気温マイナス10℃の秘訣2011年6月24日、熊谷で6月の日本最高気温を更新し39.8℃を記録しました。 その日「緑風の家」の室温は、エアコンなしでなんと室温26.3℃という驚きの成果を生み出しました。
冷房負荷78.9%低減
この住宅の開発プロジェクトは、国土交通省の「住宅・建築関連先導技術開発助成事業」に採択され(平成21年度~23年度)、冷房負荷を78.9%低減させることに成功しています。
2009年 竣工
2009年 パッシブデザインコンペ 技術・製品部門佳作受賞
2009年 第4回地域住宅計画賞 作品・すまいづくり部門地域住宅計画奨励賞受賞
2009年 熊谷キラリ賞受賞
事業主:株式会社松本材木店
コンセプト企画・事業コーディネート:株式会社チームネット