地主さんの思いからスタート
相続税のための売却という経済面の条件を満たしながら、樹齢250年のケヤキを中庭に残し、都市部ではあり得ないほどの緑豊かな住環境が誕生しました。
『欅ハウス』は、数億円にもおよぶ相続税のために、生まれ育った家の庭の大部分を切り売りすることを決意せざるをえなくなった地主さんの想いからスタートしました。また、この土地には、保存樹木に指定された樹齢200年以上のけやきや、松、もみじ、柿の木などの木々がありましたが、一般の不動産業者やデベロッパーの開発では、樹木はほとんど伐採され、狭小戸建て住宅が立ち並ぶか、7~8階建てのマンションがそびえ立つことは火を見るより明らかなため、地主さんにとっては、売った後の土地の活用のされ方も大きな関心事でした。 そうした中、株式会社チームネットが提案した計画案は、コーポラティブ方式で参加者を募り、この土地の樹木をできる限り残した環境共生型の集合住宅を創る、というものでした。
パッシブデザインとコミュニティベネフィット
『欅ハウス』は、環境共生の考え方に沿い、自然の力で室内を快適にする「パッシブデザイン」を組み入れています。また、建物の配置では、「コミュニティ・ベネフィット」の考え方のもと、残された木々と豊かな自然環境をそなえた共用の庭を、計画地北側に確保しました。『欅ハウス』の魅力は、なんといっても樹齢250年の欅を中心とした中庭を取り囲む環境。住民は、暮らしをこの中庭に対して開くことによって、その環境価値を存分に楽しむことができます。
2003年 TEPCO快適住宅コンテスト最優秀賞受賞
2004年 日本都市計画家協会賞まちづくりプロジェクト部門大賞受賞