夏には夏の暮らし、冬には冬の暮らし
季節に応じて、自然と共に暮らす「暮らし方」をお伝えします

【冬のエコアップレポート】今住む家と長くつきあうために…

外へ広がる暮らし

住まいのエコアップマニュアル 実践編より抜粋

エコアップリフォームによって「家全体の自然の涼しさ、暖かさを感じるようになった」と語るのはSさんご一家。きっかけは、夏になると症状が出てくる奥様の肩こりと頭痛。不思議と右半身だけに。その原因は、普段、何気なく使っていたクーラーが、仕事場の机の右側に設置されていたからでした。クーラーなしでも快適に過ごしたい。そんな想いを胸に夏に開催された「エコロジー住宅市民学校」に参加したSさん。快適な住まい方を学び、手軽にできるすだれをかけることから始めました。一年目の夏は、クーラーを使わずに扇風機とすだれだけで過ごすことができ、工夫をすればもっと快適に過ごせるのではないかと思ったSさんは、市民学校で学んだ、外環境とつながるともっとお得な快適な生活ができる、ということを考えながら、楽しく涼しい暮らし方に取り組み始めました。

外を快適にするスタートは緑のカーテンと生垣です。夏の暑さの原因となっていた、西側のブロック塀を壊して、生垣と緑のカーテンをつくりました。道路からの放射熱が生垣と緑のカーテンで遮られ、玄関や家の中が快適に。ブロック塀を生垣にしたことで、家の中にも心地よい風が流れるようになり、また自治体からの補助金が出るなど、お得な経験も。

さらに庭にパーゴラとウッドデッキをつくり、アウトドアリビングという心地よい空間が出現。休日に家族で食事をしたり、お茶を飲んだりと団らんの場所になっています。すだれや蚊帳をかければ周りの視線を気にすることもなく、くつろげる快適な空間に早変わり。リフォーム前はほとんど庭にでなかった息子さんも、ウッドデッキができてから外の環境を楽しんでいるそうです。蚊帳をつると少し狭く感じるので、今年はパーゴラまで緑のカーテンを伸ばしますとご主人。団らんの時に、ご家族で暮らしの改善点を見つけています。

家を包む断熱改修

夏だけでなく、冬も快適に暮らすにはどうしたらよいでしょうか。Sさんのお宅では、外環境の改善とあわせて、冬、暖かく暮らすため、屋根、床、窓と断熱改修を行い、建物自体の性能を高めることを最優先しました。

リフォーム前は個別の部屋で暖房をしていたので光熱費もかさんんでいましたが、断熱改修により家全体の性能が向上したことで、少しの暖房でも家全体が暖まるようになり、光熱費が減りました。そして断熱改修をして何よりも驚いたことは、家全体が暖かくなったので個々の部屋での室温の差がなくなり、窓の結露がなくなったことです。そして断熱改修は冬だけでなく、夏にも効果があることを実感したとのこと。帰ってきた時、エアコンをつけていないのに、家の中がひんやりしていて汗がすっと引き、夏も冬も快適な生活を送ることができているそうです。

暖かい家が暮らしを変える

リフォーム前、リビングのソファーかダイニングのイスに座るといった生活だったのが、床をコルクにしたことで、直接床に座ることが多くなったといいます。子供たちはコルクの床はやわらかく暖かいと言いながら、リビングの床でゴロゴロしながらテレビをみたりゲームをしたり、それぞれの時間を楽しんでいます。裸足で気持ちよく過ごせるのもコルク床の長所です。床に座って座卓を囲み、家族そろって食事をとることも多くなったといいます。リビングの床には温水床暖房も導入してあり、朝の出かける用意をしている間に、コートを床に置いておくと、出ていく頃には暖まっているといったちょっとした工夫もしています。特に家族総出で行った床のコルク仕上げはエコアップリフォームのとても良い思い出になっているとか。住まいの新築やリフォームをする際、間取りやデザインに気を取られがちがちですが、実際の快適な暮らしのためには、「暖かさ」「寒さ」といった、体感的な快適性を高めることがたいへん重要です。外環境とつながり、その恵みを取り入れるとともに、それを上手に利用するために建物の性能を高め、暮らしの工夫をプラスし、少ない光熱費で快適性を向上させる-これがエコアップ術の神髄です。

改温計画カテゴリー

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