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第5回 暖房すればするほど、「寒さ」が入ってくる住宅の構造

チェック1からチェック3の気温チェックで、B~Cが多い場合、その原因は、家の断熱性能と気密性能にあります。
断熱性能が低いということは、建物を保温する力が低いということですから、室内を温めても速く冷めてしまうということは、誰もが想像がつくと思いますが、室内を「寒く」してしまう原因として、断熱性能だけでなく、気密性能が大きく影響しています。気密性能が悪いと、暖房すればするほど「寒さ」が入ってきてしまうのです。その理屈は、こういうことです。

気密性能の悪い左の家の場合、暖房すればするほど、空気は軽くなり天井の隙間から逃げていこうとします。一方、暖房により温まった空気が軽くなって上昇すると、今度は床の隙間から外の冷気を吸引してしまいます。こうした気密性能の悪い家では、暖房すればするほど、冷たい外気を引き込んでしまうという悪循環を招いてしまう傾向があるのです。

気密性能のいい家では、温まった空気が外へ逃げようとする出口と、冷えた外気が入ろうとする入口がないため、暖かさは部屋全体に拡散し、上下の温度差はほとんど生じなくなります。こうして、気密性能と断熱性能を高めた住宅は、暖房の温度を低めに設定しても、寒く感じないようになります。暖房している部屋だけでなく、廊下や水まわりなど暖房していない部屋も寒くありません。また、暖房を夜消しても、朝起きたときに夜の暖かさが残っている、といった、「寒さがない住宅」が実現します。

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