断熱と気密は、壁の表面温度にも影響する
ご自身の住宅の性能をチェックするのに、気温でのチェック箇所をお伝えしましたが、もし、赤外線放射温度計という表面温度を測るグッズをお持ちの方は、次の表面温度チェックもやってみてください。放射温度計は、夏の涼しさづくりにもとても役立つものですので、ご興味のある方はお手元にあると便利です。
[チェック4] 窓の表面温度をチェック→室内の気温との温度差は何℃?
温度差 :A=3℃以内 B=4~9℃ C=10℃以上
[チェック5] 床や壁、天井の表面温度をそれぞれチェック
→室内の気温との温度差は何℃?
温度差 :A=ほとんどなしB=3℃以内 C=4℃以上
特に、チェック5の「床・壁・天井の表面温度」の評価がCの場合、やはり断熱性能と気密性能に課題があります。床、壁、天井面の表面温度を下げないためには、壁の中に入れる断熱材を性能のいいものを使用することが重要ですが、壁の中の断熱性能の入り方が、写真のような状態だと、断熱材と断熱材との間を外から侵入した冷たい空気が自由に動き回ります。こうした空気の動きは、「壁体内気流」と呼ばれ、壁面の温度を下げることになります。
こうした「壁体内気流」によって、壁の表面温度が下っている場所があることが、「寒さ」の混在した住まいとなってしまう原因となります。そして、その「寒さ」を打ち消すために、必要以上に暖房に依存してしまうことになってしまうのです。
では、「壁体内気流」を無くし、「寒さがない」住まいを実現させるためには、どうしたらいいのか。そうした課題から開発されたのが高断熱・高気密住宅なのです。
この他にも、「壁に結露している」「押入れの中が寒い」などの状況があれば要チェックです。