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夏のアカデミーでもお話ししましたが、気温と体感はイコールではありません。気温をコントロールしようとするのではなく、体感温度をコントロールしようと考えると、いろいろな工夫が考えられます。
住宅性能については、断熱・気密などの工事が根本的な解決を図る上では重要ですが、誰もが簡単にそうした工事を行うことができるとは限りません。そんなときには、まずできることとして、「表面温度を低くしない」工夫を考えましょう。
例えば、窓部分を天井から床まで覆うカーテンを取り付けましょう。窓部分だけを覆う寸法だと、壁から床に窓の冷気が伝わってしまい、壁や床の表面温度が低くなってしまいます。その点、障子はたいへん優秀な部材です。窓との間に空気層をつくり、窓側の冷気を部屋側に伝えないようになっています。
また、床材の選択も、体感に大きく影響します。フローリング、特に堅い木や石などのフローリングは、接触した途端に体温が奪われます。杉や桐などの比較的柔らかい種類の木のフローリングやコルク床、じゅうたんなどでは、接触した際、逆に暖かいと感じると思います。但し、柔らかい木は傷つきやすいという点も考慮する必要があります。
そして、設備の選択は、快適性に大きく影響します。エアコンのように空気を暖めるタイプと、床暖暖房のように輻射型のタイプがあります。イニシャルおよびランニングのトータルなコストを考え、ライフスタイルにあった選択が重要になります。