夏には夏の暮らし、冬には冬の暮らし
季節に応じて、自然と共に暮らす「暮らし方」をお伝えします

天然の空調装置!外の冷気を活用して、涼しさをつくるコツ

7月22日、台風の影響で、朝の外気温は19.9℃といつもよりもぐっと低くなりました。

こういう時こそ、自然エネルギー(冷気)を活用して涼しさをつくる絶好のチャンスなのです!

前日、27度まで上がっていた室温も、20.8℃とぐっと低くなりました。
でも、室内はそれほどひんやりとは感じません。
その正体を探してみると…
壁の表面温度は27℃と前日の気温と同じ温度のままでした!

外気温の低い時、窓を開けると室内の温かい空気は外の冷たい空気とすぐに入れ替わり、室内の温度は簡単に外と同じ温度まで下がります。でも、時間をかけて温まった建物の温度は空気のように簡単には下がりません。建物が石焼ビビンバの器のように、熱を蓄えているのです。

涼しさづくりのために重要なポイントは、自分のまわりにある壁や天井の表面温度を下げること。
そのためには、室温が低いからといって窓を閉めず、外の冷えた空気を積極的に取り込んで、建物を冷やす必要があります。

■ 風の道をデザインする
建物を冷やすためには、風の道をデザインすることが重要です。風の道をつくる基本は、風の出口と入り口をつくること。1か所だけ窓を開けておいても、風は室内に入って来ません。また、風が直接当たって寒い場合には、人がいない場所に風の道をつくる、使用していない部屋を換気するなど、自分なりの賢い窓の開け方を考えてみてください。

■冷気をたくさん取り込むための、扇風機の使い方
扇風機は後ろの空気を前に吹き出す性質があります。そんな扇風機の性質を活用すると、効率よく室内に冷気を取り込むことができます。
さらに、扇風機の風を「どこにあてるか」が工夫のしどころです。扇風機の風を冷えにくい天井にあてることで、冷えにくい場所も冷ますことができます。扇風機には直接風にあたって涼をとるという使い方だけではなく、冷たい空気の室内への導入を助け、建物を冷やすという使い方もあるのです。

◎豆知識―気流のある場所とない場所では表面温度が違う!
チームネットの事務所には、吹き抜けにシーリングファンが設置されています。
シーリングファンの近くの天井の温度を測ってみると…

壁面と比べて、表面温度が2℃も低くなっています。
このように、風には熱を奪い、表面温度を下げる力があるのです。

■ 驚きの蓄冷効果!!
さて、涼しい日に、終日窓を開けて冷気を取込んだ成果を見てみましょう。

昨日と比べると建物の温度の差は歴然です!壁の温度を比べてみると、2℃も温度が下がっています。(蓄冷効果といいます。)昨日のような涼しい日に一日中窓を開けて積極的に冷たい空気を室内に入れると、蓄冷効果によって涼しさが建物に蓄えられます。この涼しさを溜めた建物が、翌日から暑くなっても室内を涼しい温度に保ち快適な空間にしてくれるのです。この蓄冷効果は昨日のような一日中涼しい日だけではなく、暑い日の夜間でも同じ効果がえられます。涼しい夜間に冷気を取込み、外気温が上がる日中は窓を閉めて暑さを室内に入れないようにします。

皆さんも是非、冷気と蓄冷効果を上手に利用して、快適な夏を体験してください。

 



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